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ライフライントラブルの費用負担、「誰が払うのか?」を法的観点から整理する

入居者様から「給湯器が壊れた」「エアコンが効かない」「水漏れしている」といったご連絡を受けたとき、
オーナー様としてまず気になるのが、「この修理費用は誰が負担するのか?」という点ではないでしょうか。

感覚や常識だけで判断してしまうと、入居者とのトラブルにつながる可能性もあります。
今回は、民法や国のガイドラインに基づいた「原則ルール」を整理し、冷静な対応の判断材料としてご紹介いたします。

🔹 民法第606条:原則として「修繕は貸主の責任」
まず根拠となるのは【民法第606条 第1項】です。

賃貸人(貸主)は、賃貸物の使用および収益に必要な修繕をする義務を負う。

この条文により、物件内の給排水設備・給湯器・エアコン・照明・換気設備といったライフライン設備の故障は、
入居者の通常使用の範囲内であれば、修繕費用はオーナー様が原則として負担すべきものとされています。

🔹 ガイドラインによる補足:国交省「原状回復をめぐるトラブルとガイドライン」
さらに、国土交通省が発行している
「原状回復をめぐるトラブルとガイドライン(令和3年改訂版)」では、
「設備の経年劣化や通常使用による故障は貸主の負担とするべき」と明記されています。

📌 ガイドラインの要点
・通常損耗・経年劣化については、借主に原状回復義務なし
・借主に故意・過失がない場合、修理費は原則として貸主負担

つまり、「入居から3年経って給湯器が故障した」「古いエアコンが動かなくなった」などの場合は、
たとえ入居者からの報告であっても、基本的にはオーナー様側の負担とされるのが国の方針です。

🔹 入居者が費用を負担するケースとは?
すべてのトラブルがオーナー負担になるわけではありません。
【民法第400条:善良な管理者の注意義務】や、入居者の故意・過失によるケースでは、借主に責任が生じます。

≪入居者負担の根拠≫
・排水口に異物を流して詰まらせた 民法第415条(債務不履行)
・故障を放置して損害が拡大した 民法第400条(善管注意義務違反)
・特殊な使い方によって故障させた 通常使用の範囲を超える利用
※こうしたケースでは、現場確認やヒアリングが不可欠です。

🔹 よくあるトラブルと費用負担のまとめ
≪設備トラブル内容≫
・給湯器の経年劣化による故障⇒オーナー負担(寿命・劣化による自然故障)
・トイレの詰まり⇒原則オーナー負担(異物混入等があれば借主責任)
・エアコンの効きが悪い⇒オーナー負担(フィルター清掃放置は一部借主責任あり)
・排水口の髪の毛詰まり⇒借主負担(清掃義務を契約書で明記している場合に限る)
・電球・電池の交換⇒借主負担(消耗品扱い)(契約書で明記推奨)

🔹 実際のトラブル対応で大切なポイント
実際の現場では、「誰が払うか」だけでなく、入居者への説明の仕方・証拠の記録方法も非常に重要です。
当社では、以下のような一連の対応を代行し、オーナー様のご負担を最小限に抑えています。

・民法やガイドラインに沿った判断基準の保持
・契約書との整合性チェック
・入居者様への丁寧な説明・納得対応
・必要に応じた現地立ち会いや第三者調査

🔹 まとめ:「法的根拠に基づいた公平な判断」がトラブルを防ぐ
ライフラインのトラブルは、どの物件でも起こりうるものです。
ですが、「誰が・どこまで・何を負担するのか?」を明確にしておくことで、無用なトラブルを防ぐことができます。

そのためには…
・契約書における明確な記載
・管理会社による法的根拠に基づいた対応

この2点が非常に重要です。

当社では、常に最新の法改正や判例、ガイドラインを踏まえながら、
オーナー様の大切な資産を「法の土台」でしっかりと守る管理運営を心がけております。

📩 「うちのケースではどうなる?」といった個別相談も承っております。
民法・ガイドラインに基づいたアドバイスをご希望の方は、どうぞお気軽にご連絡ください。


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